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空冷ポルシェ買いました。

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 というわけで買っちゃいました空冷ポルシェ。タイプ964のカレラ2、1993年式のミツワ物。サンルーフ/リヤワイパーなしの5速MTで色はソリ黒の距離7万8000km。RSバンパーとビルシュタインの車高調がオマケで付いてお値段は991のI型カレラの中古と同じくらい。ちなみに内装はべらぼうにキレイで整備記録もバッチリ揃うまさに上物。

 いや、マジでラッキーな巡り会い。まさに運命。もうね、今どきないんですよ程度のよい964って。だからもうね、イヤミなくらい自慢しちゃう。だって嬉しいんだもの。

 930(正確にはビッグバンパーのGシリーズ)とか993は割とある。探せば出るのね上物が。でもなぜか964は出てこない。あってもティプトロ。あとは今回アレコレ出物を探してる最中にカブリオレの5速MT(しかもピンクとかの変色)が2台出た(笑)。そうなの、5速MTはあっても何かしらの“イロモノ”か“難アリ”ばかり。とりあえず多少の変色でもタルガだったらグラッときたけど、ピンク(ルビーストーンちゃうからね、特注のピンク)のカブリはちょっとねぇ。

 クルマ好きが覗くエスカンのコラムで今さら説明することでもないけれど、タイプ964は日本のバブル末期に登場。しかも空冷ポルシェ初の“オートマ”であるティプトロニックが設定されたことで時代にマッチしたナンパな人たちにもたくさん売れた。そう、バブルがパンっと弾ける91年まではね。だから初期型ティプトロはたくさんある。でも5速MT、しかも92年以降の後期型となればそもそも新車で売れた数自体が少ない。

 4駆のカレラ4なら同じ5速MTを積んでいる2駆のカレラ2よりも総じて相場は低いけれど、僕は20代のときに安いカレラ4買ってトランスファーが壊れて直すお金なくてだいぶ悲惨な目にあったからカレラ4にはもう行けない。そう、はっきりトラウマ。

 あとはティプトロはほとんど乗ったことがないから適当なことは言えないけれど、少なくともメルセデスのR107を所有する身としては2台もオートマはいらない。ていうか、やっぱりポルシェはマニュアルで乗りたいというのが偽らざる本音だったりして。

 ともあれ「空冷ポルシェ買う、買う」と僕はここ数年ずっと言い続けてきた。でも、昨年の夏頃からはもはや「買う買う詐欺」みたいな状況になっていることに気づいて「空冷買う」は公言しないことに。でも、秘めたる恋はなんとやら、内心は「空冷欲しい」と余計に萌えた。もとい、燃えた。

 ナローと930はエアコン効かないし、そもそもあんまし速そうじゃないしという理由でなし。だから964と993でかなり迷った。少なくとも僕はどんなクルマでも“アシ”にできることが絶対条件だから、クラシック過ぎる930以前の911は雰囲気は大好きだけれど東京の日常で乗るには「なし」。

 というわけで964にした理由。いろんな意味で空冷911の正統な進化系と呼べるのはカエル目の964まで(993は正直、その後の水冷時代に向けた橋渡し的存在だと思える妙なモダンさがある)だよな、ということと、エンジン音、というかエンジンの存在感そのものが分厚くて好きということで「買うならやっぱり964」と心に決めた。あ、かつてカレラ4で失敗した964に対するリベンジ、っていう部分も少なからずはあったかも。

 実は購入に際してのいちばんの難関は家族の理解を得ることだった。昨年末に待望の息子が生まれ、サイコーに嬉しかったのと同時に「あ、これでもう空冷は買えないぞ」と大人の理性で自分を諭した。嫁さんの妊娠中は「空冷アリ」とアホな自分は本気で思ってたのだけれど、子供の顔見たらまずはどうにか正常な理性が働いた。

 だから年明けからは964のことを考えずに、マカンとかアルピナD3とかRS4とか最低限家族でも使えて速そうなクルマを探したりした。実際、アルピナD3は「買うか」というとこまで行ったりもしたのだけれど、運命の出会いは最後の最後にやってきた。

「空冷ポルシェ乗らずに死ねるか?」(世界文化社が発行していたCar Ex誌の伝説的企画のタイトル)の世界を地でいく空冷乗りの大先輩から「おい、こんなの出たぞ」と送られてきた一通のメールがすべてを決めた。

 運命のクルマは写真一枚ですべてがわかる。嘘こけバカと言われてもこれ本当。もうね、一発でビビッときた。スマホの画面に釘付けになった。そして、それから2週間後、僕は晴れて空冷オーナーになった。

 子供が生まれて空冷ポルシェを買った男に対して、世間の目は思いのほか温かかった(気がする)。少なくとも、いまどきのデジタルで快適なクルマを選ばなくて良かったと心底思えている自分がいることこそが、この選択が間違いではなかったことを証明している気がする。そう、要は買うべくして買ったと胸を張れるクルマなのだ。

 空冷ポルシェ用はほぼ皆無とされたチャイルドシートは探しまくって中古を手に入れた。ドイツ・レマー社のキングプラス。すでに絶版だったけれどレンタル屋に最後の在庫があったのを買い取った。これもある意味、運命だったのかも。色はちなみに、ピンク(笑)

 嫁は当然ながら最初はかなりの難色を示したけれども、結婚した頃(10年前)から「ポルシェ、ポルシェ」と言い続け、自宅のデスクをポルシェのミニカーで埋め尽くしている姿を知っている(そういや新婚旅行でもポルシェ・ミュージアムに1日中付き合わせたな)から、チャイルドシートがきちんと装着できることを確認したら最後は苦笑しつつも許してくれた。いやこれはマジで、ありがたい。家族の理解はクルマ趣味を真に豊かにするからね。

 964は乗れば乗るほどその深さに気付かされるクルマ。向き合えば向き合うほど体にフィットするというか、逆に自分の気持ちが乗ってないと、クルマ自体も乗りこなせないというか。そう、要は簡単には超えられない“何か”が常にある。RSでもなんでもない“素”のカレラでこれ。空冷ポルシェって本当に奥深いなって、まだ乗って1ヶ月と少しだけれどもう一生手放したくない気分。なんというか、日常の中でリズム感を常に意識できる存在って人生には必要だよなあって、素直に思える。964に心底乗れてるときのあの独特のリズム感は、本気でクセになるんだな。

 R107と964の2台持ちははっきり贅沢だし、今後の維持費やらなんやらを考えると少しはビビる。でも、やっぱり空冷買ってよかった。クルマの世界に生きる以上、やっぱり幾つになっても背伸びしてクルマそのものと向き合わないとダメだと僕は思うから。

 ただの道具ならプリウスか軽で十分。むしろ道具ならもう完全に自動運転でいいし、だったらいっそ電車に乗るし。今の時代はそういう時代。それが正解。

 それでも、僕はやせ我慢してでも好きなクルマに乗る男でいたい。“クルマ好き”がどんどん過去の遺物になって行く世の中で、いつまでもその“遺物”の存在価値を声高に主張し続けたい。何をまた大袈裟なって言われても、僕は本気でそう思ってる。

 R107は自分が死ぬまで乗りたいクルマ。そして964は、いつか息子が免許を取れる歳になったら、「ほれ乗ってみろ」と受け継がせたいクルマ。たぶん、今から20年後には、964の存在価値って今の100倍は特別なものになってるはず。下手すりゃ公道ではもう乗れない類の代物になっているのかもしれないけれど、それでも、免許を取った息子にどこかでハンドルを握らせたい。「親父たちの生きた時代はこんな楽しい時代だったのか!」って知ってもらいたい。

 未来に繋げることのできる価値を大切に所有する。ナニ格好つけてんの? って感じだけれど、僕はクルマ好きとして、この先も真剣にそういう生き方をしていきたい。それが使命だと思うから。

 というわけで鹿田パイセン。55歳でクルマ屋引退してタイで毛生え薬売って暮らすとか寝ボケたこと言わずに、いつまでもイカしたクルマ屋さんを続けて僕のクルマの面倒見てね ♡

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この記事の執筆者

高田 興平

高田 興平

Ko-hey Takada

モーターヘッド編集長

高田 興平の記事一覧>>

1974年式の43歳。寅年。職業は編集者。ジャンルレスなモーターカルチャー誌「モーターヘッド」&コレクター向けのハイエンド・カーライフ誌「Gentleman Drivers」の編集長を兼務。他にもイベント関係などアレコレ手がける浮気性(?)。既婚。愛車は1982年式のメルセデス・ベンツ500SL。

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高田 興平

高田 興平Ko-hey Takada

モーターヘッド編集長

1974年式の43歳。寅年。職業は編集者。ジャンルレスなモーターカルチャー誌「モーターヘッド」&コレクター向けのハイエンド・カーライフ誌「Gentleman Drivers」の編集長を兼務。他にもイベント関係などアレコレ手がける浮気性(?)。既婚。愛車は1982年式のメルセデス・ベンツ500SL。

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