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距離感のおはなし。

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先日、ボクのポルシェの主治医のお店で走行2万5000kmという距離浅(キョリアサ=走行距離の少ない)の964カレラ2の値札を見て思わず仰け反った。

なんとそのお値段、ニセンハッピャクマンエン!!なり。

希少性が高くてよりスパルタンなカレラRSならまだ納得というかむしろ随分とお安い値付けなんだれども、素のカレ2でほぼ3000万円と聞くと、さすがにオイオイマジかよ???という気持ちにもなるのでした。

ちなみにボクの愛車も964カレラ2。色は同じソリ黒で5速MTというのも同じ。年式はボクのが1993年式でこちらの“ほぼ3000万円号”は1992年式。でもって共にMIZWAモノ=正規輸入車。

といことは!オレのは少々距離を稼いではいる(10万kmちょい)けどそれでも2000万円くらいにはなるんじゃないの?!!!と思わず色めき立ちもするのが人情ってものだけれどさにあらず。ボクのはよくって店頭1500万円。まあ、6年ほど前に800万円中盤で手に入れた(生々しくってごめんなさい)ことを考えれば今や十分に空冷バブルによる相場爆騰の恩恵を受けていることになるのでしょうが、それにしたってそれが距離浅ともなるとほぼ3000万円、倍近くの値札がぶら下がるという現実にはやはり驚く、というかもはや呆れるほかなかった次第。

実際、中古車マーケットでは走行距離の少ない個体の方が距離の伸びた個体より価値が高いというのは昔から変わらぬ常識。だから同年式の同グレードでも過走行車(10万kmを超えると大体そう呼ばれる)はガクン!と一気に価値が下がる。そう考えれば走行わずか2万5000km、しかもそれが30年も前に生産された今も変わらず引く手あまたのヤングタイマー(80年代中盤から90年代中盤頃までの名車を指すマニア言葉)ともなればこの値札となるのもまあ頷ける…のかもしれません。

ここでひとつプロから聞いたなかなか面白い小話を。

「最近さ、距離の少ない空冷911がチョクチョク出てくるんだよ。そういう個体は大抵がワンオーナー物だったりするの。要は、新車で買ったお金持ちが、何台か所有するクルマの1台として持ち続けていたような個体が多い。でね、そのオーナーが高齢になったりそれこそ天に召されたりして手放す…ってことが増えているんだよね」

なるほど。それなりにお歳を召されたりするとマニュアルの空冷ポルシェに乗るのはしんどくもなるものねえ、などと妙に納得しているとプロはさらに続けるのでした。

「でもさ、最近は距離が少なくていくら程度が良くてもそれが逆に災いして売れない個体も多いんだよね。そりゃそうだよね、距離が少ない分だけ値段(価値)が上がるわけだから、いざ距離を走ってしまったらそれだけで一気に価値が下がるんだもの。本気で走りたいと思って空冷探している人は距離が少ないだけで1000万円以上も値付けが違うなら多少距離が伸びていたって安く手に入る方を選ぶよね。何よりさ、この時代のポルシェは10万キロなんてまだ慣らしの範疇(アウトバーンなど高速網が発達していて距離を走る生まれ故郷のドイツ辺りでは本当の話)だし、それこそポルシェを分かっているメカがしっかり仕上げてやれば新車みたいにシャキッと蘇る。たぶん、エンジン含めて500万円も掛けてやれば相当満足いくようになるし、それこそ1000万円掛ければ新車だよ。だったらさ、距離の伸びた個体選んでそれ相応に手を入れてあげた方がよほど幸せだよね?って話なわけ」

はい。まったくその通りと思います。投機目的の人たちや筋金入りのコレクターなら距離が浅い(少ない)という部分に価値を見出すことも出来る(または出来た)のかもしれません。でもね、やっぱりポルシェ(中でも911)は“走ってナンボ”なわけです。もうね、乗れば乗るほど楽しくって、だからこそ何処までもずっと走り続けたくなる。そんな稀代のGTスポーツカーを距離ばかりを気にしながら所有するだなんて、いやはやマジでもったいない!!

とかなんとか偉そうに宣いつつも、最近は「あんまし距離伸ばし過ぎるともったいないかな…」なんて、なんとも邪(よこしま)な想いも脳裏にちらりと浮かぶダメなオレ。いやはや、趣味で旧い名車と向き合うということは実際、今の時代は価値だヘチマだと要らぬ距離感もそこ生まれたりしていろいろ難しくもあるということで。

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この記事の執筆者

高田 興平

Ko-hey Takada

Takapro Inc.代表

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モーターヘッドやポルヘッドといったモーターカルチャー誌の編集長を務めるほか、メーカー系オウンドメディアのプロデュースも手がける。最近は「MHヒルクライム/真庭速祭」という地方自治体と組んだリアルイベントの企画・運営にも精力を注ぐ。寅年。既婚。一児の父。愛機はポルシェ964カレラ2。下駄はゴルフ6のエディション35。instagram @kohead22

この記事の執筆者

高田 興平Ko-hey Takada

Takapro Inc.代表

モーターヘッドやポルヘッドといったモーターカルチャー誌の編集長を務めるほか、メーカー系オウンドメディアのプロデュースも手がける。最近は「MHヒルクライム/真庭速祭」という地方自治体と組んだリアルイベントの企画・運営にも精力を注ぐ。寅年。既婚。一児の父。愛機はポルシェ964カレラ2。下駄はゴルフ6のエディション35。instagram @kohead22

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