
今回ご紹介する作業は
フォルクスワーゲン アルテオン
サーモスタッド&ウォーターポンプ交換です
お客様のご用命は
「冷却水が減る」
車両を確認したところ
下回りより冷却水漏れを確認
冷却水路を加圧し漏れ箇所を点検しようとしましたが
冷却水のリザーブタンクも圧抜けがあり
二重不具合の状態でした
下回りの漏れ箇所は目視点検により
ウォーターポンプとサーモスタッドハウジングの間より漏れと判断
フォルクスワーゲン、アウディ、ポルシェなど
様々なメーカーに搭載される
「EA888」系エンジンでは
よく見られる冷却水漏れです
基本はウォーターポンプ交換ですが
ごく稀にサーモスタッド側が漏れていたりするケースがあるため
今回はお客様に同時交換をお勧め
ご了承いただき交換作業に入ります
作業スペースを確保するため
各部品を取り外していきます
インテークマニホールド下に
サーモスタッドハウジングと
ウォーターポンプが見えてきました
このウォーターポンプは
エンジンのフロント側ではなく
エンジンブロックの中間付近に取り付けられ
タイミングチェーンドライブから伸びてきたシャフトにより
ベルトを介して駆動します
エンジンブロック中央から
冷却水を送り込んで
効率よく冷却するために
この構造になっています
向かって右半分がウォーターポンプ
左半分がサーモスタッドハウジングです
サーモスタッドは電気的に制御されており
大きな塊になっています
モーターやポテンショメーターが
内臓されています
取り外すと取り付け部はこのようになっており
慣れていないとなかなか組付けにくい部品です
写真右下に見えているのが
駆動用のベルトとプーリーで
プーリーはタイミングチェーンドライブから
伸びてきたシャフトの先端です
取り付けボルトは逆ネジになっており
知らずに緩めようと左に力を入れると
ボルトが折損して洒落にならない可能性を秘めた
恐ろしい作業工程です
新旧の部品
今回は社外品の互換品を使用しました
といってもこのサーモスタッドハウジングは
コンチネンタルが製造しており
その社外品もコンチネンタル製で
性能は等しいですが
純正刻印が入るかどうかで
価格が結構違います
社外品とひとくくりにできないのは
こういう一面があるからです
部品一つ一つを評価し
性能に問題がなければ社外品もご提案します
問題やデメリットがある場合は
高くても純正品でご提案します
新品の部品を組付け後
各部を復元し冷却水を入れ
エア抜きを行い試乗します
試乗後漏れがないことを確認し
作業完了です
当店では各部門のスペシャリストが
お客様のお車に最適な作業を
ご案内させていただきます
国産車・輸入車の整備、修理
新旧問わずお問い合わせください
この記事を書いた人
S&Company大阪整備
前田英祐
国家一級自動車整備士